面接の準備とマナー
~就職・転職~

就職・転職活動における面接では、ビジネスマナーが厳しく見られ、かつ、あなたが即戦力となる人物であるかどうか期待を持って見られています。面接突破を目指し落ち着いて臨めるように、しっかり事前準備をしましょう。ここでは、ビジネスマナーの基本を見直し、あらかじめ面接の大まかな流れと、よく聞かれる質問と回答のポイントをつかみましょう。

服装・身だしなみの基本

基本はスーツ。ビジネスの場であるということを忘れずに、全身のバランスが取れた清潔感のある服装、身だしなみを心掛けるようにしましょう。

女性

◇髪型

清潔感が第一。前髪が目にかからないようにし、肩に髪がつく場合は一つに結ぶなど、表情がはっきり見えるようにしましょう。髪の毛の痛みやカラーリングによるプリン状態は要注意。

◇メイク

ナチュラルメイクが基本。シンプルで小ぶりなアクセサリーならOK。派手なアクセサリーや、長い爪、派手なネイルは避けましょう。香水は、できればつけない方が良いでしょう。匂いの強いスタイリング剤や柔軟剤にも気を付けましょう。

◇スーツ

シンプルなデザインを選び、色は黒やネイビー、グレーが一般的。新卒時のリクルートスーツは、転職活動の面接では避けましょう。

◇ボトムス

ジャケットに合わせ、パンツでもスカート(膝丈のもの)でもOK。ミニスカートやワイドパンツ、スキニーパンツなど、デザイン性や流行りに乗ったもの、身体のラインを強調するものは避けましょう。

◇インナー

シャツやブラウスは、白か淡いパステルカラーで透け感の少ないものを選び、第1ボタンを外した時に胸元が開き過ぎないものに。柄ものやデザインが過剰なものは避けましょう。また、下着が透けてしまうことがないように、インナーの下にキャミソールなどを着用しましょう。

◇ストッキング

ナチュラルトーン(肌色に近い色)のストッキングが良いでしょう。装飾入りや黒タイツはNG。伝線した時のために、替えのストッキングを持参すると良いでしょう。

◇足元

シンプルで黒系の3~5cm程度のローヒールパンプスがおすすめ。落ち着いたデザインと色のパンプスがベスト。傷や汚れが無いか、面接前にチェックしておきましょう。

◇時計・カバン

カバンは、筆記用具やA4サイズの書類が入るビジネスバックが良いでしょう。色は黒・ネイビー・ブラウンなど。時計は着用し、ビジネスで使えるシルバーや革ベルトを選び、派手なものは避けましょう。

男性

◇髪型

前髪が目にかからないようにし、襟足や耳回りなどをすっきりさせ、スタイリング剤を使用し髪型を整えましょう。髪の毛の痛みやカラーリングによるプリン状態は要注意。

◇ヒゲ

面接時は、表情がはっきり見えるようにヒゲを剃っておきましょう。香水は、できればつけない方が良いでしょう。匂いの強いスタイリング剤や柔軟剤にも気を付けましょう。

◇スーツ

シンプルなデザインを選び、色は黒やネイビー、ダークグレーなど明るすぎないものを選びましょう。新卒時のリクルートスーツは、転職活動の面接では避けましょう。セットではない別々の上着とボトムスを合わせるスタイルは、「服装自由」という指定があった場合だけにしましょう。

◇ワイシャツ

清潔感漂う、白無地できちんとアイロン掛けされたものが基本。襟や袖口が汚れていたり、よれていないか面接前に状態を確認しましょう。ワイシャツの下には、白か肌色の専用インナーを着用するのがマナーです。

◇ネクタイ

スーツの色に合わせましょう。ネクタイの柄は、シンプルなチェックやストライプ、無地のものが良いでしょう。

◇足元

靴下は、黒・濃紺の無地を選びましょう。靴は、革のビジネスシューズ一択です。色は黒色かこげ茶色がベスト。面接前には必ず革靴を磨くことを忘れないようにしましょう。

◇カバン・ベルト・時計

カバンは、筆記用具やA4サイズの書類が入るビジネスバックが良いでしょう。色は黒・ネイビー・ブラウンなど。ベルトはスーツに合う革製のものを。時計は着用し、ビジネスで使えるシルバーや革ベルトを選び、派手なものは避けましょう。

◇夏場でもジャケット着用が基本

どんなに暑くても、ノーネクタイ、半袖シャツ、上着無しはマナー違反。

◇冬場のコートは置き方に注意

スーツに合うフォーマルなものを選び、色は黒・ベージュ・紺・グレーなど落ち着いた色合いで。コートは受付の前に脱ぎ、二つ折りにして片手に掛けて持ちましょう。入室したら、椅子へ座る前に二つ折りにして、背もたれに掛けておくか、椅子の横に置いたカバンの上にそっと畳んで置きましょう。

◇傘は折りたたみがベスト

面接会場に着いたら、水を切って折りたたみ、ビニール袋に入れて口を縛りカバンの中へ。折りたたみ傘をカバンにしまう際は、持参した応募書類などを濡らさないように気を付けましょう。

私服や服装自由という指定があった場合でも、デニム、トレーナー、スニーカーなど、日常のラフな私服は厳禁。あくまでもビジネスシーンなので、ビジネスカジュアルを心掛けた服装が必要です。男性は、ジャケットとパンツスタイル。シャツは襟付きのものを着用し、柄はなく、落ち着いた色味のもので。女性は、ブラウス・シャツ・カットソーなど、シンプルで清潔感のあるものを選び、アウターとしてジャケットやカーディガンを合わせるのが良いでしょう。派手な柄やデザインは避け、落ち着いた色味のものを選び、靴はパンプスが無難です。

〈当日の持ち物リスト〉
  • □履歴書、職務経歴書などの応募書類
  • □求人情報のコピー、会社案内
  • □筆記用具
  • □スケジュール帳
  • □身分証明書(運転免許証や健康保険証など)、印鑑
  • □応募先の住所、電話番号、
     面接担当者の部署・指名などのメモ
  • □地図(場所の確認・検索のできるもの)
  • □携帯電話

面接では、応募書類(履歴書や職務経歴書)の内容について聞かれることがあります。面接前に確認できるように、応募書類をコピーするなど控えを用意しておきましょう。合わせて、応募書類を作成するにあたり調べた企業情報や会社案内なども持参しておけば、直前に確認できて安心です。面接の場所や時間、行き方などもしっかり確認を。万が一に備えて、面接担当者の名前と連絡先、面接場所の地図や住所は、メモに書き出して持って行きましょう。携帯電話はしっかり充電しておきましょう。

面接当日の流れ

STEP1到着

まずは受付で訪問の旨を伝えましょう。その際には、①面接で来たこと ②自分の名前 ③面接担当者の名前を伝えましょう。
「本日〇時に面接のお約束をさせていただいております、○○と申します。人事ご担当の△△様にお取次ぎをお願いいたします」

STEP2入室

名前を呼ばれたら、ドアを3回ノックして「どうぞ」と言われたら、「失礼します」と言って入室。
ドアを静かに閉め、一礼する。
椅子の横まで移動したら、
「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。○○と申します。よろしくお願いいたします」とあいさつ。
面接担当者の「どうぞ」「お座りください」などの着席の指示があったら「失礼します」と言ってから座りましょう。カバンは椅子の横へ。履歴書、職務経歴書、筆記用具はすぐに出せるように準備しておきましょう。

面接担当者から名刺を出されたら、名前を名乗り「頂戴いたします」と両手で受け取りましょう。名刺を渡されたからといって、在籍している企業の名刺を渡す必要はありません。目を通し、自分の左側に置きましょう。

STEP3面接

椅子の背もたれに寄り掛かったり、奥まで座ってはいけません。
足を組んだりせず、姿勢よく座りましょう。
面接中は相手の目を見て、ハキハキとした話し方、笑顔を心掛けましょう。

STEP4退室

面接が終了したら、「本日は誠にありがとうございました」と言い、席の左側に立ち一礼。ドアの前まで歩き、面接担当者を向き「失礼いたします」と言って、お辞儀をしてから静かにドアを閉める。

①時間厳守! 約束時間の10分前を目安に到着すること。早すぎても迷惑が掛かるので注意しましょう。遅れる場合は、分かった時点ですぐに先方と連絡を取り、理由と到着予想時刻を伝えましょう。体調不良などで面接日に行けない時は、必ず先方に連絡して日程を変えてもらいましょう。
②到着したら、すでに面接は始まっています。面接担当者はもちろん、従業員の方、すれ違う人にも、あいさつをするように心掛けましょう。
③控室では下座(入口に一番近い場所)に座り、携帯電話を触ったり、よそ見をしたりせず、資料を見るなどして静かに待機しましょう。

①表情
緊張で顔が強張り、笑顔が出ないこともあるでしょう。表情が硬いままだと悪い印象を与えかねないので、笑顔で受け答えができるように、力を抜いてリラックスしましょう。
②話し方
適切な敬語を使い、早口にならないよう、はっきりとした声でゆっくり話すことを心掛けましょう。顔を上げ、面接担当者の目を見て話すようにしましょう。
③姿勢
猫背にならないように、まっすぐ良い姿勢を心掛けましょう。背筋を伸ばし、手は軽く両ひざに乗せておくのが望ましい姿勢です。面接中の姿勢だけでなく、受付から面接室までの歩き方、入室する際のしぐさにまで注意しましょう。
④携帯電話
面接中は携帯電話の電源を切っておきましょう。

面接もうまくいき、気が緩むのも分かりますが、終わって建物を出た瞬間いきなり携帯電話を取り出してプライベートな会話を始める…なんて、他の社員に見られ悪い印象を与え兼ねない行動はNG。コートは建物を出てから着るようにしましょう。面接会場から数メートル離れるまでは、誰かに見られているという意識をもって行動しましょう。

面接でよく聞かれる質問

①自己紹介・職務経歴

Q.「自己紹介をお願いします」「前職の仕事内容を教えてください」
→自分の名前と簡潔に職歴を説明しましょう。話す時間は1分を目安に。前職で携わった職務のうち、応募職種に活かせるキャリアを中心に話すと良いでしょう。今まで経験したこと、成果・実績、身に付けた技術や能力を、具体的に伝えましょう。へりくだり表現やあいまいな表現は避けましょう。

②転職理由・退職理由

Q.「転職理由は何ですか」「退職の理由を教えてください」
→人間関係、給与などの待遇面、仕事内容など、ネガティブな不満ばかりを言うのはマイナス。ただ不満を言うのではなく、できるだけ前向きな表現に変えると良いでしょう。

③志望動機

Q.「なぜ当社を応募したのですか」「志望動機を教えてください」
→なぜこの会社を選んだのか、魅力を感じた部分を述べ、理由を明確にすることで入社意欲をアピールできます。これまでの経験やスキルを通し、自分がこの会社にどう貢献できるかを具体的に説明しましょう。

④自己PR

Q.「自己PRをお願いします」「あなたの長所、短所を教えてください」
→今までのキャリアや、自分の良さ・強みを最大限アピールしましょう。長所や短所、性格について聞かれた場合は、客観的に自分を見つめ、自己分析ができる人物かどうかを見られています。自分の良いところをいくつも並べるのではなく、一言で表し、その理由を具体的なエピソードを交えて話すと良いでしょう。また、短所を長所に変換して伝えることで印象も良くなります。

面接時に確認したいこと

  • ①仕事内容
  • ②勤務条件(勤務地・勤務時間・残業・休日)
  • ③待遇面(給与条件、社会保険、福利厚生など)
  • ④勤務開始時期(在職中の人は、可能な限り早く着任する意思を伝えた 上で、引き継ぎ期間などを考慮してもらえないか相談してみましょう)
  • ⑤職場環境(従業員数や職場の雰囲気、周辺の環境など)
  • ⑥合否の連絡(いつまでに連絡があるのか、通知方法など)

面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれることがあります。この質問は定番なので、事前に返答を用意しておきましょう。面接担当者とやり取りをする中で疑問が解消できていれば良いですが、入社後の行き違いや後悔がないように、疑問があれば遠慮なく質問しましょう。